第80章

「不良品……?」

谷口凛華は手の中のネックレスに目を落とし、それから谷口日奈を見上げた。表情は淡々としていて、まるで小芝居でも眺めているみたいだった。

だが、谷口日奈の背後にいる二人の友人は、遠慮する気などさらさらない。

左にいる石村風香は、わざとらしく指先を反らせてネックレスを取り上げ、くるくると裏表を確かめたあと、鼻で笑ってテーブルへ放り投げた。

「この程度の出来、うちのおばさんでも外じゃ着けるの恥ずかしがるわ。谷口社長、あんた桐生奥さんなんでしょ? ここまで落ちぶれるって、逆に気の毒~」

右側でシャンエルのセットアップを着た長川春は、さっさとスマホを取り出して写真を一枚。

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