コラテラルダメージ

父さんの顔に浮かんだその表情は、言葉では言い表せないほどだ。間違いなくショックを受けている。だが、それだけではない。もし父さんが感情的な人間だったなら、叫び出していたに違いない。あるいは泣き崩れていたか。その両方かもしれない。

だが、彼はただそこに立ち尽くしているだけだ。

「うわあ……」やっと父さんが口を開く。「何かやってるのか? クラックか? 薬を使ってるのか、スローン?」

私は呆れたように天を仰ぎ、震える息を吐き出す。「この話はもう終わりよ」

「母さん」父さんは声を上ずらせながら、祖母のジューンの方を向く。彼女はまだソファに陣取り、足を組み、ワイングラスを片手に、視線はテレビに釘付...

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