スイートスポット

扉を開けると、そこにはハネムーンのために完璧に設えられたスイートルームが広がっていた。キャンドルの灯り。床一面に散りばめられたバラの花びら。ホテルのスタッフはいい仕事をしてくれたようだ。

本来なら、そのまま新婚初夜のベッドへと向かうべきなのだろう。だがなぜか、花で埋め尽くされたベッドは、妻との初めての情事には繊細すぎるように思えた。

俺は彼女の靴を床に落とし、自分の靴も蹴り飛ばすと、そのまま彼女を外のプライベートプールへと連れ出した。

俺が何をしようとしているのかを悟り、彼女は甲高い声を上げた。「嘘でしょ、ノックス。まさか、やめてよ」

やめるわけがない。

俺は素早く二歩踏み出し、二人...

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