ザ・プレイルーム


――スローン――


ノックスの首に腕を回したまま、私は家の中へと運ばれていく。

震える足で彼にしがみつく。外での情事の余韻で、私の肌はまだしっとりと汗ばんでいる。どうして意識を保っていられるのかさえ不思議だ。体は絞り尽くされた雑巾のように力が抜けているのに、まだもっと欲しいと渇望している。

彼は一度だけ足を止めた。ドアの内側だ。体を屈め、昨日裏口から入った時と同じ几帳面さでスリッパを脱ぐ。丁寧に。片足、そしてもう片足。ドアの横に、完璧に揃えて並べられる。

私はただ……それを見つめる。それが重要だからではない。彼という人間が理解できないからだ。

彼は他の場所では、平気...

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