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彼は咳払いをし、先に口を開いた。

「お前がフィンを助けたいと思うまともな理由を考えているんだが」声は落ち着いている。「あいつは腕を折っただけだ。背骨じゃない。デライラがついているしな。どうしても助けが必要だと言うなら手配してやる――お前が行く必要はない。何が問題なんだ? あいつを救おうとするその執拗なこだわりには、俺の知らない別の理由でもあるのか?」

反論しようと口を開くが、声が出ない。

彼が正しいからだ。

私が行く必要はない。

それでも、行かなければならない。いろいろあったにせよ、私はまだ彼を切り捨てたことに罪悪感を抱いている。フィンには友達がいつかない。知り合いや取り巻きはいても、本当に...

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