第5章 罪の森

馬車が巨大な古石門の前で乱暴に停止した。

護送隊長が荒々しく扉を引き開ける。その眼差しは冷え切っていた。

「桐島遥、ここがお前の終着点だ。己の罪をせいぜい反省するがいい」

遥は無慈悲に馬車から突き落とされ、その身を冷たい石の地面に強く打ちつけた。彼女はもがきながら起き上がり、目の前に広がる絶望的な光景を見上げた。

石門は高さ十メートルにも及び、血のように赤い警告文が刻まれている。『罪の人はこの地に入り、真者は新生を得る』と。門の向こうには漆黒の原生林が広がり、ねじくれた古木が空を覆い、紫色の瘴気が大気に満ちていた。

「お願いします……」

遥は懇願するように両手を差し出し...

ログインして続きを読む