第6章 暗黒創造魔法

古びた石塔の内部にある魔法研究室。巨大な陰陽の太極図が空中に浮かんでいる。

神秘的な師匠が魔法陣の前に立ち、その老いた瞳には叡智の光がきらめいていた。

「子よ、まずはお主が、闇魔法に対する世間のあらゆる偏見を忘れねばならぬ」

遥は固く拳を握りしめ、その眼差しには悔しさが満ちていた。

「ですが先生、なぜ世間の人々は闇系統の魔法を邪悪だと見なすのですか。私の力は治癒も創造もできるというのに!」

「恐怖ゆえだ」

師の声は、朝の鐘、夕べの太鼓のように厳かに響いた。

「人は自らが理解できぬ力を恐れ、ゆえにそれを邪悪と定義することを選んだのだ」

遥は目の前で回転する太極図を見つめ...

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