第11章 江川莉奈こそが梅原晴琉の正真正銘の婚約者

梅原晴琉は眉をつり上げ、どこか気だるげに言った。

「……で?」

田口七海は彼の真意が読めず、それでも勇気を振り絞って、甘えた声で縋りつく。

「晴琉兄……あの子、あなたの顔に泥を塗ったも同然じゃない。どうして叱ってあげないの? 絶対わざとよ。そうやってあなたの気を引きたいの!」

「失せろ」

梅原晴琉の声は、氷みたいに一気に冷えた。手を上げるや否や、彼女を払いのける。

田口七海の目から、ぼろりと涙が落ちた。

「晴琉兄……私のこと、信じてくれないの……?」

その泣き顔が余計に癪に障ったのか、梅原晴琉の瞳に露骨な苛立ちが滲む。

「最後だ。自分で体面保って出ていくか、それとも――俺が...

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