第12章 脱ぎ捨てる

江川莉奈が田口家に戻ったのは深夜だった。にもかかわらずリビングの灯りは落ちておらず、田口宏明と相川綾子がソファに並んで座っている。どう見ても、彼女の帰りをずっと待っていたのだ。

玄関の扉が閉まる音を合図に、二人はぱっと立ち上がり、駆け寄ってくる。あれよあれよという間に手を取られ、ソファへ座らされた。

田口宏明は興奮を隠せない顔で言った。

「莉奈、こっちに来てもう数日だろ。そろそろ慣れたか? な、親族お披露目パーティーを盛大にやろう。ちゃんと皆に紹介して、堂々と――」

相川綾子も娘の手を包むように握り、誇らしげに目を細める。

「うちの娘は優秀で、綺麗で……きっと皆に好かれるわ」

期...

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