第13章 京清大学だけだ

「ママ……どうしたの?」

田口七海の笑みが、ぴたりと顔の上で凍りついた。堪えていたはずの涙が一気に滲み、目の縁に溜まっていく。

七海の知る相川綾子は、いつだって水のようにやさしく、娘には甘いほどだった。なのに今の綾子は、怒りで頬を強張らせ、声まで鋭い。知らない人みたいで、七海は息が詰まった。

「そのドレスはあなたのじゃないの。今すぐ脱ぎなさい!」

「わ、私のじゃ……ない?」

七海の声が震え、顔から血の気が引いていく。

家にいる女の子は、自分と江川莉奈の二人だけ。

なら――このドレスは、莉奈のものだ。

昨日、自分のものでもないドレスを着て、莉奈の前で威張って見せた。パパとママに...

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