第23章 ようやく悟った

「いいわ」

江川莉奈は、梅原晴琉の頼みを快く引き受けた。

その即答に、梅原晴琉の口元がふっと緩む。

「じゃあ明日、迎えを――」

「大丈夫です」

江川莉奈はやんわり首を振った。

「自分で車で行きます。すぐですし」

「……分かった」

言葉ではそう返したものの、胸の奥を小さな寂しさがかすめた。

彼女のために何かしてやりたい。けれど江川莉奈は、できることが多すぎるほどに優秀で、そして自立している。

自分の手を差し伸べる隙すらない――そんな無力感を味わうのは、彼にとって初めてだった。

翌朝。

約束通り、江川莉奈は病院に姿を現した。

白を基調にしたシンプルなカジュアル服。手には...

ログインして続きを読む