第25章 江川莉奈の仕業だ

江川莉奈は、田口七海のあの「してやったり」とでも言いたげな顔を眺めながら、わざわざ水を差す気にはならなかった。どうせ金を出すのは自分じゃない。なら黙って見物するだけだ。この愚かな女が、どこまで騒ぎを大きくできるのか――。

一方の田口七海は食事を終えるなり、待ってましたとばかりに田口宏明へ金を催促した。逆命丹を一秒でも遅れたら誰かに奪われる。そんな焦りが全身から滲み出ている。

5,000万の小切手を受け取ると、礼のひと言すらない。さっと懐へねじ込み、嵐みたいな勢いで田口家を飛び出した。向かう先は田口百花の住まい。

田口百花はすでに1階で待ち構えていた。七海の手にある小切手を見た瞬間、ぱっ...

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