第30章 私が会うのは私の孫嫁

梅原晴琉は主治医をわざわざ呼び止め、何度もしつこいくらい確認した。梅原爺さんの身体に問題はなく、退院して大丈夫――そう太鼓判を押されるや否や、息つく間もなく手続きを済ませる。

あの頑固者を誰より知っている。自分が動かなければ、今夜にでも病院を抜け出しかねない。だったら危ない橋を渡らせるより、目の届く場所に置いておくほうがまだ安心だ。

梅原家の別荘に足を踏み入れた途端、梅原爺さんは上着を脱ぐ暇すらなくスマホを取り出し、そのまま田口宏明へ電話をかけた。

コールが繋がった瞬間、普段の威厳などどこへやら。声には隠しきれない焦りが滲む。

「宏明か。退院したぞ。……ちょっと真面目な話がある」

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