第31章 梅原晴琉は貢ぐ君になった

田口七海は恥ずかしさで身の置きどころがなく、両手をきつく握りしめた。爪が掌に食い込み、じんと痛む。

以前は梅原家の門など、入ろうと思えば入れたし、出ようと思えば出られた。梅原爺さんも彼女を猫かわいがりしてくれた。――けれど江川莉奈が戻ってきた日から、すべてが変わった。

今では梅原晴琉に「二度と梅原家に近づくな」と釘を刺されている。今日は江川莉奈に同行して梅原家へ行く流れに乗り、存在感を取り戻すつもりだったのに、江川莉奈というクズは一ミリも顔を立ててくれず、皆の前で思いきり恥をかかせてきた。

相川綾子が慌てて間に入る。

「莉奈、七海も善意なのよ。そんな言い方しなくても――」

「うん、...

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