第34章 報告書が読めない?

車は会社へ向かう道を滑るように走っていた。すると梅原晴琉がふいに、白色のポーチを取り出して江川莉奈の前に差し出す。

「莉奈。オフィスで使えそうなもの、俺が用意しといた。持っていけ」

江川莉奈は受け取り、ファスナーを開けた。中はぎっしりだ。

ティッシュ、モバイルバッテリー、彼女の名前が刻まれた保温ボトルにマウスウォッシュ。さらにふわふわの室内スリッパとナプキンが2袋。脇の小さなポケットには、いろんな小袋のスナックまで詰め込まれている。

隙のない気遣いに、莉奈の瞳がわずかに揺れた。口元が勝手に緩む。

「……ありがとう」

「何だよ、俺に礼とか」

梅原晴琉はハンドルを握ったまま、いつも...

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