第37章 あなたはこの職に適しているか

なぜだろう。梅原晴琉が、全身に纏っていた誇りをすっと脱ぎ捨てたような姿を見せるたび、江川莉奈の胸はちくりと痛んだ。

彼は梅原グループ社長。高みから判断を下し、容赦なく刈り取ることもできる男だ。ビジネスの戦場では常に人に仰がれる存在で、誰もがその手腕に震える。――それなのに、彼女の前では、いとも簡単に意地もプライドも捨ててしまう。子どもみたいに拗ねて、やたらと甘えたがる。

このところの過保護なくらいの気遣いまで思い出して、莉奈は決めた。ここで放っておけば、きっとこの男は傷つく。

梅原晴琉は頭を垂れたまま。莉奈は一歩近づき、そっと彼の服の裾をつまんだ。

びくり、と肩が跳ねる。

「……ど...

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