第40章 江川莉奈にできるなら、彼女にもできる

「へえ?」

江川莉奈はくすりと笑い、瞳の奥に愉快そうな光を滑らせた。

「だから社内で好き放題できたんだ。お父様が役員会の人ってわけ? ……私の見る目がなかった」

その涼しい顔が癪に障ったのか、松浦文江は奥歯をぎりっと噛みしめる。

「今さら気づいたって遅くないわ! 今すぐ通報を取り消して! そうすれば、今日は何もなかったことにしてあげる。じゃないと、パパに言ってあなたの役職、今すぐ外させるから!」

口では威勢よく吐き捨てながら、松浦文江の胸の内はぐらぐらだった。

目の前の江川莉奈は、怯えるどころか、むしろ落ち着きが増している。いったい何なの、この余裕は。

まさか――父より上の後ろ...

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