第45章 横に歩くのは不便だ

梅原晴琉のスマホ画面に、見知らぬ番号からの通知が弾けた。反射的にスワイプして消そうとして――「江川莉奈」の四文字が目に入った瞬間、指が止まり、そのままタップする。

次の瞬間、写真が画面いっぱいに広がった。

そこに写っていたのは、柔らかく笑う江川莉奈。梅原晴琉は息を落として呟く。

「莉奈が……平松爺さんと知り合い?」

平松龍青――その名は、経済界では伝説そのものだった。

何の後ろ盾もなくのし上がり、泥をすすって這い上がり、ゼロから叩き上げて、気づけばアメリカのウォール街に名を轟かせる怪物になっていた。彼が築いた帝国は複数の分野にまたがり、今なお並ぶ者はいない。

梅原家ですら彼の前で...

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