第47章 お前があの恩知らずか?

吉川駿斗が言い終えるや否や、傍らの江川琉衣が顎をわずかに持ち上げ、挑むように江川莉奈を一瞥した。

――たとえ今、江川莉奈が平松龍青の機嫌を取れていたとしても、何になる。

駿斗お兄ちゃんの父親は平松龍青の義理の息子。平松龍青には実子がいない。なら、築き上げた莫大な財産の一部は、きっと吉川家に流れるはずだ。しかも自分はおばあちゃんの実の孫。平松龍青が気まぐれを起こせば、財産全部を自分と駿斗お兄ちゃんに――なんてことだってあり得る。

そのとき江川莉奈という偽物は、ただ指をくわえて見ているしかない。泣きたくても、泣く場所すらない。

露骨な挑発を向けられても、江川莉奈は口元をわずかに上げただけ...

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