第53章 成績を持って押しかける

深夜――田口七海の部屋だけ、まだ灯りが落ちていなかった。

スマホに、匿名の個チャが弾けるように届く。画面に踊った一行を見た瞬間、七海の瞳がきらりと光った。

【探偵を探してるのはあんた?】

田口七海はほとんど反射で打ち返す。

【そう、私。黒猫でしょ? 他人の黒歴史、ちゃんと掘れるの?】

黒猫は探偵界隈でも名が知れた手練れ――そう聞いて、七海はどれだけ手を尽くしたか。ようやく繋がったのだ。

【任せろ。こちとらこの道のベテランだ。浮気相手の特定、スキャンダル掘り、犯罪の証拠集め……何でも来い。金さえ出せば、綺麗に洗ってやる】

田口七海:【江川莉奈って女を調べて。徹底的に、息の根が止ま...

ログインして続きを読む