第55章 江川莉奈の黒歴史

梅原晴琉がいるなら、江川莉奈は人探しに頭を悩ませる必要すらない。

わずか2時間後。倉庫の鉄扉がギギ……と押し開けられ、田原匠真が鼻っ面を腫らした林田浩を引っ立てるようにして入ってきた。足早に梅原晴琉の前まで進むと、胸を張って報告する。

「梅原さん、連れてきました! こいつ、逃げ足だけは妙に速くて……危うく飛行機でトンズラするところでしたよ。でも俺が空港で押さえました」

林田浩は両腕を後ろで縛られ、髪はぐしゃぐしゃ、顔には田原の手下に殴られた痣がいくつも浮いている。胸の奥では、もうずっと「終わった」と叫び続けていた。

このところ彼は、椅子に座っていても立っていても落ち着かなかった。横領...

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