第60章 飛び降りなんてことはやっぱり男にやらせるべきだ

残念ながら、梅原晴琉の目論見は結局のところ、あえなく潰えた。

江川莉奈は彼をちらりと横目で見て、そのままベランダへ歩み出る。下を覗き込み、家の高さを確かめ、それからふかふかの芝生に視線を落とした。最後に振り返り、梅原晴琉へさらりと言う。

「この高さなら飛び降りられるよ。あなたはベッドで寝て。私、下に降りたら適当に空いてる部屋で寝るから」

「……」

梅原晴琉はその場で固まった。

婚約者の身のこなしが良すぎるのも、考えものだ。普通の女の子が、二階から飛び降りる発想に至るわけがない。

でも――そんなこと、させられるか?

いや、無理だ。絶対に無理だ。

危ないことは……自分がやるべきだ...

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