第66章 あざとい女が好きじゃない

山口直希は痛みにのたうち回りながらも、目だけは獣みたいに鋭かった。立ち上がって反撃する気だ。

山口花子は腰が抜けそうになり、転げるように駆け寄って直希にしがみつく。

「直希、やめなさい! あの人は私たちが手を出していい相手じゃないの。……いい? 我慢して。先に病院へ行ってパパのところを確認するのよ。夏美がパパに何かしたら大変でしょう」

梅原晴琉の長身を見上げ、直希の胸の奥で怒りが噴き上がっていても、今はどうにもならない。首を強情に突き出し、無駄に凶悪な捨て台詞を吐く。

「……いいだろ。覚えてろよ。次は絶対に許さねぇ!」

吐き捨てた瞬間、花子に半ば引きずられるように家を追い出され、母...

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