第71章 悪毒な計画

第一回戦の順位が発表されると、江川莉奈は小さくうなずいた。結果は公平だと思えたし、1位を獲った近藤希美には素直に感心した。

田口七海と江川琉衣の演奏は完成度こそ高い。粗探しをしても、目立った瑕疵は見つからないだろう。けれど、それはあくまで「型どおり」の再現に過ぎなかった。

その点、近藤希美の音は違う。指先が跳ねるたび、旋律は生き物みたいに表情を変え、どのフレーズにも熱のある感情が宿っていた。高低のうねり、その一つ一つが胸の奥を直接叩いてくる。1位は当然――そう思わせるだけの説得力があった。

ふと目に入ったのは、彼女が身につけている安っぽい白いチュールのワンピースと、サイズの合っていない...

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