第78章 江川莉奈の前に跪く

田口七海がみじめに床へ膝をついた、そのときだった。

江川莉奈が部屋へ入ってくるなり、ゆったりとした足取りで田口の父、田口の母の傍へ立つ。

伏し目がちに、哀れを売る七海を見下ろす。唇の端に浮かぶのは、笑っているようで笑っていない弧。

視線がぶつかった刹那、七海の胸は屈辱で裂けそうになった。

自分はいつだって上に立ってきた。こんなふうに、ここまで卑屈になったことなど一度もない。

それなのに――いちばん憎い江川莉奈の目の前で、頭を下げて謝らされる。体裁は残らず引き剥がされ、踏みつけられた。

込み上げる憎悪が喉元まで詰まり、呼吸が苦しい。視界がちかちかと黒く揺れて、ほんとうに倒れそうにな...

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