第84章 菊池グループの社長

松本由美は車のドアを開けた。「村上龍平、誰が私に優しくしてくれたか、ちゃんとわかってるわ。でも、その中にあなたの名前は絶対にないわ!」

彼女は車から降りると、わざとドアを大きな音を立てて閉めた。

村上龍平だけが気性が荒いとでも?

彼女だって負けちゃいない。

それに今や、彼女はゴミを拾い集めて歩く羽目になるほど落ちぶれてはいない。

彼女、松本由美は優秀な人材で、能力もある。もし村上龍平の干渉がなければ、とっくに自分の得意分野で輝いていたはずだ!

だから松本由美はタクシーを止め、運転手に四千円を手渡した——

「お願いします、前のロールスロイスを追ってください!」

「おうよ、お嬢さ...

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