第53章 古崎さんと街で偶然の出会い

山田恵子は水原明美の腕を取り、二人でヒールを踏みしめながら堂々と歩いていた。「おい!美人、シャネルとディオール、どっちがいい?」

「いつも同じようなブランドばかりじゃつまらないわ。マイナーなデザイナーズブランドを見てみましょう。デザインも新しいし、かぶる心配もないし」

シャネル一着で数十万円もする。山田恵子のお金をそんなに使いたくなかった。

山田恵子は彼女を引っ張ってショップに押し込もうとした。「マイナーブランドがトップデザイナーに勝てるわけないでしょ?それに、大弁護士として、知名度のないブランドじゃ誰も気づかないわよ」

水原明美はまだ断った。「さっきまで私が美人だって言ってたのに、...

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