第60章 それはまさに波だった

水原明美の心臓がバクンと音を立てて二つに裂けた。古崎正弘は彼女をそこまで嫌っているのか、自分の面子さえ捨てるほどに?

高橋宴清は楽しげに足を揺らしながら、「いいよ!俺がやるよ!」

一連の操作の後、水原明美は「面白い」という名のグループに入れられていた。メンバーは合計五人。

下川を離れた時、水原明美は彼らとの連絡を絶っていた。お互い暗黙の了解で削除はしなかったが、皆百年に一度も投稿しないような筋金入りの「ゾンビアカウント」の持ち主で、連絡先リストを意図的に見ない限り、存在を忘れられるほどだった。

水原明美に至っては投稿もせず、LINEの歩数機能も使わず、いいねもせず、まるでアカウントを...

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