第11章

翌日、私は早々に身支度を整え、階下でイーサンを待った。

彼はわざと三十分も遅れてきた。どう見ても時間稼ぎだ。

のろのろと皿を手に取る彼を横目に、私は義父母へ顔を向ける。

「お父さま、お母さま。もう遅刻しそうなので、イーサンは待たずに先に行きます」

イーサンが顔を上げ、何か言いかけた。けれど私は鞄を掴み、そのまま外へ出た。

――むしろ、別々に行ってくれたほうがいい。あいつの帳簿を洗う時間が作れるから。

私が動きやすいよう、義父は朝一番で執事に命じ、新しい車を用意させていた。

アクセルを踏み込み、私はイーサンより四十分近く早く会社に着く。

まだ出社しきっていない時間帯。私はイーサ...

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