第136章

オリヴィア視点

キスが終わるや否や、私は逃げるみたいにダミアンの腕の中から抜け出した。

彼の唇は私の唾液で濡れていて、照明に反射してきらりと光る。

私は不安になってドアのほうへ視線を投げた。声のボリュームすら上げられない。

「……さっき、ノックの音しなかった?」

「してない」

ダミアンは落ち着き払ったままデスクに腰を下ろし、慣れた手つきでペンを弄ぶ。

名残惜しそうに指でこちらへ来いと招く仕草までして。……その気になれば、回り込んで私を捕まえることだってできるのに。

分かってる。彼が欲しいのは、私が自分から歩み寄ることだ。

私はスカートの裾をぎゅっと握ったまま、さっきのノック...

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