第137章

オリヴィア視点

キャサリンは、オフィスに足を踏み入れた瞬間にはもう平然としていた。さっきまで私を連れて歩いていたのが別人だったんじゃないかと思うほど、切り替えが早い。

覚悟はしていた。いつかはバレると分かっていた。

でも、こんなにすぐだなんて。

背筋を伸ばした彼女の後ろ姿を見つめながら、胸の奥がずしりと沈む。会社にいる間は――苦労が絶えない。そう決まった。

リーダーとしてのキャサリンは、表向きは感情をほとんど出さなかった。てっきり同僚に、それとなく私とダミアンの関係を匂わせるのかと思ったのに、彼女はただ私を前に押し出し、自己紹介をさせただけだ。

一瞬、罪悪感が胸をよぎる。

さっ...

ログインして続きを読む