第16章

イーサン視点

「やめろ、ソフィア。置け……頼む、そんなことするな」

俺が臆病だったせいで、ソフィアは狭い賃貸の一室に身を潜めるしかなかった。これ以上、俺のせいで彼女を死なせるわけにはいかない。

ソフィアは目を真っ赤にして、瞳に薄い涙の膜を張っている。顔色は紙みたいに白い。銀色の刃には細い血筋が浮かび、彼女は身体を折るように前かがみになって、ふらつく足を必死に踏ん張っていた。もう片方の手で、背後のテーブルを掴んで――それでも、やっと立っている。

痛いのが何より怖い子だ。そんなソフィアが、俺の家のために、筋の通らない父のために、自分の肉に刃を突き立てている。

……どうして、愛さずにいら...

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