第17章

イーサン視点

パァン、と乾いた音がした。

父の平手が頬を打ち、五本の指の跡がじわりと深紅に浮かぶ。

父は奥歯を噛みしめ、吐き捨てるように言った。

「この恥知らずの畜生め。あの子の父親がいなければ、お前は今ここで私の顔すら見られなかったんだぞ。それなのに、よくそんな大逆の口が利けるな」

「言ったから何だよ。助けたのは父さんだろ。俺じゃない。俺はソフィアさえいればいい」

ソフィアが、俺の“幸せ”のために身を削ってきた――そう思うだけで、胸が潰れそうになる。

俺は、傍で成り行きを眺めていたオリヴィアへ歩み寄り、わざと棘を乗せた。

「家がここまで揉めてるのを見て、嬉しいだろ? 目的は...

ログインして続きを読む