第173章

ダミアン視点

護衛から連絡を受けた瞬間、俺は運転手に告げた。すぐに引き返せ。病院だ。

ドアを押し開けた途端、視界に入ったのは、オリヴィアのベッド脇にうなだれて座るキャサリンの姿だった。落ち込んだ様子で、物音に気づいたのか、ぽかんと顔を上げる。目が合った、その瞬間。

――混乱。

そう、恐怖でも疑念でもない。ただ、ぐちゃぐちゃに絡まった混乱だけが瞳の奥に渦を巻いていた。

俺がなぜ戻ってきたのか理解できない、そんな顔。唇だけが開いては閉じ、結局、言葉にならない。

俺はまっすぐ彼女の前まで歩み寄り、低い声で詰めた。

「どうしてここにいる。会社の件は片付いたのか」

キャサリンは口ごもる...

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