第184章

ソフィア視点

イーサンの父親が連れ去られたのは、夜明け前だった。

相手は用心深く、監視カメラの死角だけを縫うように動いたらしい。イーサンが病院の全出入口に人を張りつかせ、丸一日、徹夜で捜しても――見つからなかった。

知らせを聞いたとき、イーサンはちょうど病室へ駆け込んできたところだった。目は血走り、私と視線がぶつかった瞬間、底冷えする憎悪が滲んだ。

彼は目を見開いたまま、表情ひとつ変えずに私を見つめる。

「お前、父さんはもう少しで目を覚ますって言ったよな。信じて待った。……それで、俺が待ってたのは何だ? 失踪の知らせか」

両手で私の肩を押さえつけられる。視線は私の奥まで貫こうとし...

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