第200章

ダミアン視点

「大丈夫だ。何も起きない。今すぐ病院へ行く」

オリヴィアは顔色がひどく悪く、唇が小さく何かを繰り返している。

眉をきつく寄せたまま、彼女は俺の手を握り締めた。指先が痺れるほどの力だ。

額に滲む汗を見た瞬間、今すぐにでも病院まで飛んで行きたくなった。

ほんの十数分だ。別れてから、たった十数分で――こんなことになるなんて。

もし俺が、事前に彼女に位置情報の発信器を仕込んでいなかったら。見つけたとき、どんな光景を目にしたのか。考えるだけで喉が凍る。

俺は必死に、乱雑に、彼女の額へキスを落とした。不安を鎮めたくて。

病院へ着いても、オリヴィアは頑として手を離さなかった。...

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