第24章

オリヴィア視点

ダミアンは私の言い分をあっさり受け入れた。疑う素振りもない。手首を押さえていた力がふっと緩み、指が離れた瞬間、張り詰めていた神経がほどけていく。

けれど――彼の口元は、まだ私の頬に触れそうな距離にあった。

何をする気なの。

身体の横で拳を握り締める。いつでも反撃できるように。そう構えたはずなのに、ダミアンの唇がやけに柔らかいことに気づいた瞬間、別の記憶が不意に蘇った。

イーサンと付き合い始めた頃。私たちは不器用で、キスひとつ満足にできなかった。……そういえば、イーサンに最後に口づけされたのがいつだったか、もう思い出せない。頬を寄せるだけの挨拶すら、ここ何年もない。

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