第43章

オリヴィア視点

十数分が過ぎても、私は電話を切ったままの姿勢から動けずにいた。

……くそ。たった一言で、こんなにも心を乱されるなんて。

あんな言葉、真に受ける必要なんてない。どうせ私をからかっただけだ。

彼に私への気持ちなんてあるはずがない。好きでもないくせに、わざわざ人の心を掻き回してくる――本当に性質の悪い男。

こめかみを拳で軽く叩き、無理やり頭を冷やす。

振り回されるな。いま一番大事なのは、イーサンが資金を洗っている証拠を掴んで、さっさと彼のもとを離れること。

――ドンドンドン。

短く荒いノックが連打された。

返事を待つ気配もなく、扉が乱暴に押し開けられる。義母とライ...

ログインして続きを読む