第52章

オリヴィア視点

ダミアンは両腕を広げて、私をすっぽり抱き囲んだ。口角を吊り上げ、首を傾けて悪戯っぽく笑う。その瞳には、人を手のひらで転がすこと自体を楽しむような、ぞくりとする興奮が宿っていた。

「イーサンがぶち切れてるところ、見たくないのか?」

ダミアンの手が私の耳元に添えられ、顔の向きを少しだけ変えられる。視界の先に飛び込んできたのは、イーサンとソフィアが抱き合う背中。

――イーサンが私の体を使って子どもを作ろうとしていたと知った瞬間、私の中の感情はとっくに死んだ。そう思っていた。

なのに、目の前のいちゃつく姿を見せつけられると、胸の奥がひりつく。

それはイーサンへの未練なんか...

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