第71章

イーサン視点

「だが……俺には、おまえのほうがよほど危険に見えるがな」

背後から落ちたダミアンの声は、腐った氷みたいに冷たかった。見えない触手が絡みつき、体温を奪っていく。歯の根が合わない。まるで極寒の中へ放り込まれたように、全身がぞくぞくと震えた。

呆けている間に、あの女が泥鰌みたいにすり抜けて走っていく。

ダミアンの存在を疑う素振りすらない。……この別荘の元の持ち主は、やはりこいつか。

警戒で背筋が固まる。汗がにじみ、産毛が逆立った。

あいつの視線ひとつで、こっちは黙らされる。俺は平静を装い、声を絞り出した。

「どうしてここにいる」

ダミアンは玄関前の柱にもたれ、気楽そう...

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