第81章

オリヴィア視点

イーサンは気まずそうに俯いた。焦点の合わない目で視線を泳がせ、額の短い髪が汗でぐっしょり濡れている。

最初は、シャンパンに何かあるなんて思っていなかった。私は妊娠中で飲めない。それに、今まで口にしてきた銘柄と違うせいか、匂いがどこか妙に感じただけだ。

――なのに、問い詰めたら食いついた。

私は表情を凍らせたまま、もう探りなど入れずに言い切る。

「イーサン。こんな大勢の前で、私に薬を盛るなんて……よくやるわね」

「誰がそんなこと言った? 証拠もないくせに口を慎め。ダミアンに聞かれたら、俺が君を害したみたいに思われるだろ!」

イーサンは顔を歪め、必死にそのシャンパン...

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