第82章

オリヴィア視点

ダミアンに半ば力ずくでその場から引き離され、私は俯いたまま歩いた。脳裏に焼きついて離れないのは、さっきまでのイーサンの得意げな目。

……でも、それ以上に忘れられないのが、ダミアンの行動だった。

あれは――イーサンを助けた。そうとしか思えない。実際、助けたのだ。

背を向けたままのダミアンを見上げ、胸の奥がじわりと黒く濁っていく。

私は彼の肩を、ぱん、と叩いた。今の私の顔は、きっとひどく歪んでいる。

憎しみが、言葉になって溢れた。

「どうして追及させてくれなかったの。あのグラス、絶対に何か入ってた。私は……イーサンの声を――」

「君は、彼がそんなに間抜けだと本気で...

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