第9章

医師は言い淀みながら、手元の報告書をダミアンに差し出した。

「……あまり、よくありません」

「どこが、よくないの?」

私はそんなの構っていられず、ダミアンより先に報告書をひったくるように受け取って、内容に目を走らせた。

ダミアンは慌てる素振りもなく近づき、私の肩を抱く。まるで長く付き合っている恋人同士みたいに、やけに自然だった。

耳元で、からかうように囁く。

「取り違えでもしたか? まさか――俺の子じゃない、とか?」

「あり得ない」

反射的に言い返した。医師の言い方は曖昧で、あのとき確信していたぶん、今は同じだけ心が揺れる。

……検査した医師が、また結果を間違えたの?

私...

ログインして続きを読む