第102章 黒崎逸臣、お前は狂ったのか?

夏目霧子はステージの上に立ち、数十台のカメラを正面から受け止めながら、デザインコンセプトの最後の一段を語り切った。

客席が静まり返ったのは、ほんの二秒。

やがて記者のひとりが手を挙げた。

「夏目先生。以前、黒崎グループのある商品が、オリジナル作家の作品を盗用した疑いがあると報じられました。現在、この件はどういう状況でしょうか」

マイクが差し出され、会場の視線が一斉にステージへ集まる。

夏目霧子が口を開こうとした、その瞬間。

隣にいた黒崎逸臣が一歩前へ出て、マイクを受け取った。

「その件は、私が回答します」

ステージ中央。背筋の通ったスーツ姿で、彼はまっすぐに言い切る。

「当...

ログインして続きを読む