第114章 他の男を待ちきれずに探す

夏目霧子は伏し目がちにスマホの画面を見つめていた。

菅田由実から送られてきた「その人」の連絡先。その下には、やたらと長いメッセージが続いている。

「K大学卒、身長185、イケメンで料理もできるし、何より清潔! 早く追加して話してみなよ!」

菅田由実の好意を断ろうと、打ち込みかけたそのとき。

背後から、不意に男の声が落ちてきた。

「サインしたばっかりだろ。もう次の男探しか?」

夏目霧子の指が、画面の上でぴたりと止まる。

振り返ると、黒崎逸臣がいつの間にか来ていた。背後、二歩もない距離に立っている。

片手をスラックスのポケットに突っ込んだまま、彼の視線は彼女の肩越しに、光るスマホ...

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