第115章 クズは恥知らず

水野美月は通話を切った。スマホを握ったまま、ベッドの上の人間をまともに見られない。後ろめたさが、喉の奥に引っかかっている。

水野菜々美は母の顔色をじっと見て、答えを一瞬で読み取った。

「また出なかったんでしょ?」

「出た、出たわよ。ちゃんと話したし、もうすぐ来るはず」

美月はスマホをポケットに押し込み、声がどこか上ずる。

菜々美がいきなり、ばしん、とベッドを叩いた。

「絶対、夏目霧子ってクズが引き止めてる! あいつ、私が幸せになるのが気に入らないんだよ! 私、もう逸臣の子を妊娠してるのに! なのにあいつ、しがみついて離れない! 恥ってもん知らないの!?」

「声、抑えなさい」

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