第119章 一体何ができるのか

一方そのころ。水野美月が病室のドアを押し開けた瞬間、水野菜々美はベッドの上で跳ね起きた。

「お母さん! 向こう、承諾した? 離婚、成立したの?」

水野美月の足が、ぴたりと止まる。バッグを椅子に置き、しばらく黙ってから、ようやく絞り出すように言った。

「ま……まだ……」

水野菜々美の顔が、一気に崩れた。

「なんでまたダメなの?」

枕にどさっと倒れ込み、拳でシーツを叩く。

「お母さん、ほんとに使えない! いつも『大丈夫、方法ある』って言うくせに、結果はこれ?」

「逸臣さんのほうが忙しくて、時間が――」

「忙しい?」

菜々美の声が跳ね上がる。

「あの人、黒崎昌仁のところには毎...

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