第126章 彼を家に帰す

黒崎逸臣は顔を上げ、目を真っ赤にして入江和彦を見た。

「じゃあ……俺は、どうすりゃいい?」

入江和彦は口を開きかけて、結局、言葉を飲み込む。

何を言えっていうんだ。黒崎逸臣に、水野菜々美へ中絶を迫れとでも? あいつの性格じゃ、できるはずがない。

夏目霧子に説明しろ? 何を? 水野菜々美の腹はもう目に見えて大きい。今さら何を言っても遅い。

入江和彦はソファにもたれ、こめかみを指で揉んだ。

「いいか、逸臣。このままいけば、お前はそのうち夏目霧子を本当に遠ざける。あいつが本気で出ていったら……泣いても間に合わないぞ」

黒崎逸臣はグラスを持ち上げ、また一口、喉へ流し込む。

その様子を...

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