第156章 おじい様の詰問、霧子はどこへ行ったのか

黒崎逸臣の動きが、ぴたりと固まった。

この一か月、彼がいちばん恐れていたのは、おじい様からの電話だった。

喉仏がごくりと上下する。

震えるスマホを見つめたまま、手が伸びない。

ぶるぶる、ぶるぶる。

まるで出るまで鳴らし続けると言わんばかりに、執拗な振動が途切れない。

黒崎逸臣は歯を食いしばり、乱暴に端末を掴むと通話ボタンを押した。

「このろくでなし!」

繋がった瞬間、黒崎昌仁の怒号が耳を刺した。

「霧子をどこへやった! もう一か月だぞ! 一本も電話を寄こさないで、霧子はどうした!」

黒崎逸臣は目を閉じる。喉の奥の乾きを、力ずくで押し殺した。

「おじい様……」

掠れた声...

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