第179章 食卓の修羅場

その言葉が木下拓真に向けられたものなのか、それとも自分自身に言い聞かせたものなのか、本人にも判然としなかった。

「やれ。明日、夜が明けるまでに――この部屋を別物にしておけ」

黒崎逸臣は手をひらりと振った。

木下拓真は苦い顔で「承知しました……」とだけ返し、踵を返すなり外へ駆け出した。

夜明けまで? 殺す気か。

……とはいえ逆らえるはずもない。黒崎社長が相手だ。

四年も耐えて、ようやく奥さんに会えたんだ。

ここは自分が死ぬ気で頑張るしかない。そう思うことにした。

部屋に残ったのは黒崎逸臣ひとり。

彼はリビングのソファに腰を下ろし、スマホを取り出してアルバムを開く。

入ってい...

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